64チャンネルマルチスライスとは
CTは1968年にHoumsfieldとCormackが発明して以来進歩を遂げ、最新のCTとして64倍のデータを撮影することが可能なCTが出来ました。これにより、立体として人間の身体を捉えることが出来るようになりました。更に、1秒間に3回転という超高速の回転で撮影を行うことにより、心臓等動く臓器の撮影も可能となりました。当院ではこの技術を用いてCTによる心臓の冠動脈造影検査を行っております。
64チャンネルマルチスライスCTによる冠動脈造影検査の適応となる方
- 狭心症・心筋梗塞が心配な方、狭心症や心筋梗塞の疑いで心臓カテーテル検査をすすめられておられる方
- 時間もなく入院が困難、あるいは検査が怖いといった理由で心臓カテーテル検査を受けたくない方
- 喫煙、高脂血症、高血圧、糖尿病、肥満など、心臓疾患にかかわる危険因子を持たれている方
- これまでに急性心筋梗塞や狭心症でカテーテル治療を受け、その後放置されている方
- 胸痛を感じているが、心臓カテーテル検査をするほどでもないと思われている方
- 大きな手術の前で、心臓疾患に不安や心配がある方
- 冠動脈バイパス手術を受け、その後観察経過を受けていない方
ただし、次の方々は冠動脈検査が出来ませんので、医師の指示に従ってください。
- 10秒前後の呼吸停止が出来ない方
- 激しい不整脈のある方
- 冠動脈の石灰化の強い方
- 造影剤アレルギーのある方
突然の胸の痛みを来たし救急車で病院へ、急性心筋梗塞で入院ということがないように、心臓のCTによる冠動脈造影検査を活用していきたいと思います。
急性心筋梗塞の予防のために
短時間(平均検査時間約15分)の検査でOK!
急性心筋梗塞の予防に。3D高精密画像で早期発見!最新鋭!
シーメンス社製64マルチスライスCT導入。
- 心臓カテーテル検査をすすめられている方
- 時間がないなどの理由で心臓カテーテル検査を受けたくない方
- 胸痛があるが、心臓カテーテル検査を受けるほどでもないと思っておられる方
- 喫煙されている方
- 高脂血病・高血圧・糖尿病の方(血縁者の方で症状をお持ちの方)
- 血縁者に、狭心症・心筋梗塞の方がおられる方
- 肥満や痛風の方
- 40歳以上で、仕事でのストレスの多い方
- 欧米型の食生活をされている方など
※不整脈、造影剤アレルギーのある方は検査できない場合があります。
心臓カテーテルとの違い
64チャンネルマルチスライスCT | 心臓カテーテル | |
---|---|---|
検査時間 | 10秒間の呼吸停止で完了 来院から帰院まで、待ち時間を除いて約90分 |
動脈を穿刺しカテーテルまで持っていく必要があるため、短期入院が必要 |
得られる画像 | 冠動脈血管内の撮影に加え、冠動脈壁の症状まで把握 | 冠動脈血管内の状況、冠動脈の血流を把握 |
検査にかかる費用 | ※健康保険適用:
(但、必要に応じて別途検査が追加になる場合があります) |
入院費用を含むため高額 |
検査を受けられない場合 |
|
造影剤アレルギーのある方 |
症例紹介
正常例
(1)右冠動脈 (2)左冠動脈 (3)左前下行枝 (4)左回旋枝 の3枝を同時に描出
狭窄例
狭窄部に加え、その周辺のプラークが描出される
プラークの症例
石灰化の内側にプラークが認め、狭窄が認められる
バイパス手術例
ステント
ステント内に病変がなく、閉塞がないことが判定される
症例の分類
冠動脈CT検査の対象疾患(187症例)平成18年2月14日~6月26日
検査の目的は、冠動脈疾患の既往を有する症例の経過観察が121例(65%)、冠動脈疾患の新規診断目的が65例(35%)であった。
対象の冠血行再建術の内訳
CTの画質評価
評価困難例:冠動脈石灰化例、一部のStent、不整脈例など
判定不能例:呼吸停止不能例、手技困難例、体動例、著しい不整脈例
CT冠動脈造影検査の結果と方針
冠血行再建例111例のうち50例(45%)で再冠動脈造影検査を回避できた。
血行再建非施行例76例のうち47例(62%で冠動脈造影検査が必要であった。)